花も実もある50代、
部長や取締役に就任し、大きな組織を指揮し颯爽と出世階段を駆け上がって行くのをTVで見ますが、それは一部で90%以上のサラリーマンはヒラや係長、なんとか担当課長、なんとか代理のスペシャリストまでで、それも55歳の役職定年で純粋なヒラ社員になります。 

故事ことわざ図鑑によれば「五十にして天命を知る」と孔子が晩年に振り返ってます。 
『論語・為政』に
「子曰く、吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、
五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず。 
(私は十五才で学問を志し、三十才で学問の基礎ができて自立でき、四十才になり迷うことがなくなった。
五十才には天から与えられた使命を知り、六十才で人のことばに素直に耳を傾けることができるようになり、七十才で思うままに生きても人の道から外れるようなことはなくなった)」 

 30代には夢があり、40代には巻き返してやろうと意地もあった。 しかし、30年も勤めたのに純粋なヒラとなり、面倒みてやった後輩が自分の上司になっている。 
50歳になってこれが天命だったかと知らされる、、、、 
文句も言いたいところですが、60歳には定年になってしまうので65歳までの再雇用契約を獲得するために、会社に悪い心証を植えつけることは避けたいので後輩上司の言葉も素直に耳を傾けよう。 
女性社員並みの給料の再雇用契約でも家族を思えば、致し方ない。 
馬鹿娘と息子はまだ大学や専門学校に通っているので、定期収入を賭けて新たな道を探すことは難しい。
また、二人とも体調が良くない。 奥さんはパートに通ってもらっているので「もう少し稼いでくれればね~」が口癖になっている。 
 雑誌や夕刊では、退職後の老後資金は3000万円は欲しいと書いてある。頼みの退職金の額も半分くらいか、、、 それに、住宅と学資のローンも残っているので、退職金はほぼ残らないだろう。 
70才から人の道から外れずに、思うままに生きることは相当難しそうだ。 

 50代は将来に対し、最も不安を感じる年代だそうです。 
若いときは自分で道は拓けると考えますが、様々な選択を会社に委ねて来た結果、鎖国状態の武士のように、サラリーマンの思考は「お家大事」な状態で止まってしまいます。 
一方、そのお家や強欲家老は戦力外家来は出来るだけ早く辞めて貰うか、養うにしても出来るだけ安価に済ませたいと考えています。 
家庭では子供の進路問題・結婚、夫婦の両親の健康問題、家の外装工事、本人と家族の健康問題等 いったい俺にどうしろと言うのだと、切れたくもなります。
しかし、ほとんどの人がこれらの難局を何とか乗り切って年寄りになっています。 必ず、道はありますので悲観し過ぎないように。 

先ず会社からはどう見られ、どうされるか30年もひとつの仕事に打ち込み、一家言がありタイムリミットがあるベテランに一から新しい仕事につかせるのは難しい
また、腹の出た口の達者なおっさんに機敏で体力を要する仕事に就かせるのは、いじめとも言われかれない。 
穏便に嫌になって辞めたくなる仕事を探したり、再就職の手助けをします。 

奥さんが色々言うかもしれませんが、個人の努力、能力が合わなくなって来た、会社がより儲けるための全体運営から考えると、貴方は戦力外になった言うことです。 
野球選手やサッカー選手の交換トレードが象徴するように、相当な能力もその職場では重要でなくなったが足りない戦力やスキルもあるという事です。 
大事なことは、貴方が悪いわけではない、会社は会社の事を考えているだけです。 

 じゃあどうするか。 
転職も有効な方法で、貴方が持っている能力を活かせる職場も必ずあるはずです。 
いろいろ人材紹介会社に登録し、相性の良いリクルート担当者とめぐり合うことです。 貴方の真の能力を理解して、他の会社に紹介し、その職場と貴方がWin-Winの関係になる契約してくれる担当者=パートナーが理想です。 
貴方が意識していない能力まで、言葉にして売り込んでくれるパートナーを探します。 
登録はタダだし、自分から秘密を明かさない、有給休暇を使う限り、人材紹介会社に通うことを心配する必要もありません。 
会社の若い人事担当や後輩課長、部長が貴方の能力を全て理解していると思います? また、事業や役割ごとに縦割りの日本の会社組織では、組織と担当者にメリットのある配置転換は相当難しいことです。 

大事なのは、考えすぎないこと。先の事は考えても結論は出ません。どうせ先の事だから。
 65歳から先の生活が心配なら、 65歳から出来る仕事のスキルを身につける。  
ハローワークのスキル習得講座の紹介を覘いてみると実に様々な職種があります。  
大型2種免許、特殊免許をとる。 
財布の状況を確認して腹をくくる。どの道この会社には65歳を超えれば居られないですが、30年くらい生きられます。 

年金の額を確認しましょう、年金定期便や企業年金、退職金制度を確認します。 
家を売って車の要らない小さいマンションに移る。街中の方がアルバイトの仕事が見つけやすいかもしれません。 
余裕があればローン返済を多くして、支払い期間を短縮します。 
 兎に角、悩む暇が有れば、歩く・体操する、絵を見る・描く、音楽を聴く・奏でる、何かやったほうが良いです。 
暗い顔している貴方は一層魅力が無いし、不安から健康を害してたら話にならない。