2020年米国大統領選11月3日への注目が集まっています。

評議員の票が1票でも相手の党を上回ればその州の票全部を獲得することが出来るルールのため、民主と共和党の勢力が拮抗している州ては激しい争奪戦が行われています。

ペンシルベニアは8年前オバマ、4年前トランプが勝利した激戦区です。元々炭坑や製鉄の産業で発展した地域だったので、そこで働く労働者が多く組織化された強い組合があり民主党の地域でした。

日本、韓国、中国、インドが鉄の生産量を上げるにつれ米国の製鉄産業は衰退、ラストベルト(錆びた地域)となり、有効な手段を見いだせず結果的にこの地域の労働者を見捨てた民主党よりも外国製品の輸入を制限すると言ったトランプに労働者は賭けて投票した。

でも、高度な資本主義は鉄を最終的に車や船に変えて消費者に与えることで利益を作り出すので、相対的に安ければ海外からでも完成品を買う。もし関税をかけて製鉄を保護しても完成した車や船を海外から買うことになり仕事確保の解決には繋がらず、むしろ自動車、造船産業の衰退と労働者の技術の無価値化や拡散を招いてしまった。

米国のアップルは多くの利益を上げているものの製造は中国や台湾、その部品は韓国、日本で作られている。大きなマーケットを持つ米国の最終製品の利益獲得は米国企業でも、製品製造の仕事の多くは低賃金やその国の手厚い保護や投資の下で有利な海外に移動してしまっている。

米国では高度な資本主義のオペレーターやGAFAなど最終利益の獲得者群と警官や地下鉄の運転手、ショップの従業員や配達人、ギャングなどの現場作業者に2極化している。製造業の衰退によって製造や生産管理、品質管理、物流などの多くの仕事が要らなくなったので、それらの仕事をするために集めた人々も要らなくなった。

大きなブルドーザやクレーン、トラックの運転手が携帯のアプリを開発出来るだろうか?エクセルのマクロを使いこなせるだろうか?投資家の前でパワーポイントで投資を求めることが出来るだろうか?
地方の高卒で卒業以来地元の会社に勤めていた仕事から、都会に出ても得られる仕事はあるだろうか?

 

長くなってしまいましたが

ペンシルベニア州最大の都市フィラデルフィアに旅行を思い出しました。

ニューヨークから美術館を見るために往復しただけですが綺麗な街の印象があります。駅からフィラデルフィア美術館へ、川沿いで市民が走る整備された道です。


フィラデルフィア美術館
左側の階段を再起を誓うロッキーが2作目で駆け下りました。

売れない俳優だったシルバスター・スターローン(主産時の後遺症で顔面のマヒと言語障害)は1975年自らが主役になれる映画ロッキーの脚本を書き映画会社に売り込んだ。主役をほかの役者がやるなら脚本んを買い上げるという話は断り、やっと見つけた主演を認めるものの極めて少額の製作費のオファーに飛びついた。
既に荒廃が進んでいたフィラデルフィアでの撮影にこだわったが、お金が無いのでエキストラや差し入れなど地元のボランテァの協力が得られ完成させた。
上映成功後m市は美術館近くにロッキーの銅像を建てました。
石炭出荷時代の栄華を残す駅舎
くたびれた感じの工場と住居

十分な貯えのある成功者には住みやすい街でしょうが、何十年も現場作業してきたワーカにとっては工場閉鎖によって全てが否定されたと感じるのではないでしょうか。
美術館前の循環バス乗り場

ちょっと待ちから離れると緑の多い風景が広がります。ニューヨークとワシントンに挟まれた年ですが基本的には田舎で、石炭の採掘無しでは立ち行かないと思います。しかし、温暖化対策から近い将来劇的に改善されることは期待できない。