待望の鈴木晴信をたっぷり観てきました。
千葉市美術館で開催されているボストン美術館所蔵のコレクションの公開です。

4年前鈴木晴信の版画が見たくてボストン美術館に行きましたが紙に刷り上げた浮世絵は光に弱く、特別に保管し研究者以外には公開しないとのことで、一般人には非公開でした。
やっとめぐり合った晴信、刷り物や錦絵は鮮やかで見ごたえありました。
今回、雪や白い着物にも柄をつける「から摺り」と「布目摺り」という技法を知りました。
白紙の部分に木版の凹凸だけ(墨や色を付けない)本物の布生地(絽または紗)の凹凸を紙に押し付けてこすり写してエンボズ加工するものです。良質な紙と凄技の摺り師が居てこそ出来る作品です。
晴信へのオマージュとして喜多川歌麿の作品が2点展示されています。
「伊達虚無僧姿の男女」は明らかに歌麿のタッチですが鈴木晴信図写と書き、歌麿の署名を入れています。
また「お藤とおきた」ではイチョウ柄の着物で晴信の町娘美人画の谷中笠森稲荷地内水茶屋女お仙を連想させますが、おはぐろした女性として描きお藤は当代の美人町娘。
二人の10年ほどの歳の開きを美人描きの名人は自分に引き継がれたと、かけているのではないかの評も印象に残りました。その死後、歌麿にも惜しまれた鈴木晴信、ぜひ観てください。
千葉市美術館所蔵の若冲の軸3点も良いです。
帰り道、モノレールの駅の隣のビルに怪しい人影、、、