半導体が足りなくなる理由:ネット上のアドレスの変化もある 
3桁の数字(0~255まで、理由は8ビットで表せる最大値が255)4組で表していたネット上の住所では、約43億個だったが2組増やし6桁、いわゆるIPv6に変更したので、 43億個の4乗=「340,282,366,920,938,463,463,374,607,431,768,211,456個=約340澗個」のアドレスをつけることが出来るようになりました。
ある自動車のある部品にもアドレスをつけて、個々に制御することが可能になりました。
20年近く前にUCアーバインの無人農園を研究しているベンチャーで初めて聞きました。IPv6がアメリカの規格IEEEで承認されるので、将来なんでもネット上で制御できるという話と、その規格を定める評議会の座長がUCアーバインの教授だということでした。

 半導体が足りなくなる理由:標準フォーマットの決定力 
大学と密接な関係がある企業とが協力して、アメリカの規格を作る、いくら優秀な技術を駆使した製品であっても、アメリカで使えなければ市場は限られます。
ドコモがスマホのデジタル通信方式で負けたのも、アメリカと欧州勢で固められた評議会で標準技術と違っていたから。欧米の技術水準に沿って規格化する勢力が、フォーマット化をリードしているので、必ずしも技術的に最善の選択ではない場合も少なくない。 
自らも高い技術見地を持つドコモが市場を占めていたので、ドコモが採用しない技術は日本で金にならなかったので、デジタル化が遅れていた欧米を下に見ていて、仲間づくりが出来なかった。 
 遅れた技術の欧米主導のフォーマットがメンバー以外で進んだ技術の日本企業に詳細を知らされるころには、欧米の主要メンバーの新フォーマットを採用した製品化は完了しているので負けて、日本以外の市場ではシェアを全くとれなかった。 主要技術について関連企業と特定の大学が結びついて標準とするフォーマットを決めるやり方は電気自動車など様々な分野で採用され、このフォーマットに従えば誰でも製品を作れるようになった。 

 半導体が足りなくなる理由:リファレンスモデルの提供 
半導体を含め、製品は同じものをたくさん作るのが、品質も向上し利益も出やすくなります。よって大量に同じものが作られる製品向けに採用されることが重要です。
テレビ、DVDプレヤー、スマホに採用されれば100万台売れるのも夢ではありません。そこで半導体メーカーは自社の半導体を売るために実際にテレビやスマホを作り、部品表と関連ソフトを用意して無償提供します。 
この半導体を使っていただければ、部品表とソフトウエアをお付けします、というわけです。 私も、10人のシフトウェアエンジニアとDVDプレヤーとCATVのチューナー、宅内交換電話のリファレンスモデルを開発しました。
TV専用半導体メーカーの販売代理権をとる交渉では、ソフトウエアエンジニアを100名用意しろよ云われ断念したこともあります。 
いずれにしても、大きな工場に人を集めればDVDプレヤーやスマホ、テレビの生産は熟練工がいなくても簡単に量産できます。
中国でも東南アジアでも組み立てる人を安く雇って生産できます。 

 半導体が足りなくなる理由:自動車の電子化 
半導体不足によって車の生産が滞っているのが話題になりました。
私が初めて運転した車には半導体はラジオにしか乗ってなかったと思いますので、半導体が不足してもラジオが聞けないだけでした。 
今はミラー、窓の開け閉めのモーターの制御、エンジンの点火制御、ハンドルのパワーアシスト、ダッシュボードパネル表示、キー等なんでも電子制御なので、半導体無しでは車としての機能は果たせません。
列車も飛行機も船舶も半導体を利用した電子制御で動いています。 街中に監視カメラがあり、クレジットカードも電子化され、保険証も代用できるようになりました。 半導体のない世界は既に考えられないでしょう。