アメリカと日本国内の美術館と国内の特別展で観たルノワールの作品を紹介します。

The Large Bathers 1884-87フィラデルフィア美術館

Pierre-Auguste Renoir 1841年2月25日 - 1919年12月3日
らしくない1枚から、なんとなく雰囲気が違う絵です
印象派の光をとらえる曖昧な描写と違い、女性の体はくっきりと輪郭が描かれています。
1881年10月、ルノワールは、イタリアに旅します。そしてデュラン=リュエルに、「私はローマでラファエロの作品を見てきました。非常に素晴らしい。私はそれをもっと早く見ておくべきでした。……私は油彩画ならドミニク・アングルが好きです。しかしラファエロのフレスコ画には、驚くべき単純さと偉大さがあります。」と書き送っている。
ルノワールは、ラファエロを模倣するアカデミズム絵画を侮蔑し、冷やかしのために見に行ったようですが、ローマのバチカン宮殿「署名の間」でラファエロに、どこかでアングルの絵の艶めく肌の描写に魅せられたのでしょう。
この旅には後に妻となるアリーヌ・シャリゴも同行、左の薬指に指輪をした幸せそうなブロンドの浴女を描いている。


さて、冒頭の絵は何度も塗り直しされていて、運び出せないほど痛んでいるそうです。モデルが愛人でもあった シュザンヌ・ヴァラドンなので、逢瀬の都度その賛美から塗り重ねたのかもしれません。
ヴァラドンは下に載せたブージヴァルのダンスや都会のダンス(未掲載)のモデルでもあり、画家ユトリロは彼女とルノワールの間にできた子ではないかと言われています。
フィラデルフィア美術館には他にも

 
    1875
    1885
    1895
    1918

 
    1875
    1880
    1905
    1917


<ブージヴァルのダンス
1883ボストン美術館


舟遊びの昼食
 
 1880-81フィリップス美術館

ニューヨーク、メトロポリタン美術館所蔵作品  



ワシントンのナショナルアートギャラリー所蔵作品 オダリスク
1870年の作品、若い時の作品には写実の力を誇示する気負いを感じます。


ナショナルアートギャラリーは経営は別ですがスミソニアン博物群の近くにあるので、ついでに観ようとスケジュールすると広いのでバテバテになります。  
    1898
    1874

      1876
      1885