日経新聞の記事から、60歳以上5万人を対象とした調査では、働く人の職種で多いのは
60歳以上男性の職種は、管理職、ビル等の管理、警備・守衛、配達・倉庫作業
60歳以上女性では、財務・会計・経理、販売、家政婦、弁護士、看護師など専門性や資格を要する仕事
仕事を探して、翌年仕事につけた人は、60歳未満が37.2%、60歳以上では14.6%だそうです。
管理職は、速めに退社して別の会社に管理職者として働く人が多いようです。元々の会社ですと役職定年で一般社員または専門職になるケースが多いようです。
朝早い電車でよく見かけるのは、大きなリュックを持って安全靴を履いた男性です。おそらく工事現場や建設現場の警備や安全管理の仕事だと思います。大きなリュックにはヘルメットが入っているようです。
工事現場で働く職人さんはスニーカーが多く、ヘルメットも現場のロッカーなどに置くか、別途車で運んでいるようですが、相当年配の方も見かけます。
マンションやビルの管理人の仕事も多く、管理会社の契約社員になって、自宅からあまり通勤費が掛からない場所の指定されるた建物で働きます。

自転車の宅配、Uberの配達、チラシの投げ込みも見かけます。
女性の場合は会長の秘書を務める方、保険関係の外交、デパートの特売場や地下食品販売員などが浮かびますが、経理一切を仕切る女性や資格が必要な仕事を続けている人が多いようです。

資格が必要な弁護士、会計士、測量士、航海士などの士族、医師、看護師、調理師等の師族も自己営業で体が続く限り仕事を続けます。また農業、林業、漁業では60歳以上でも働く人がほとんどです。

年金を減らさない働き方

年金が一部支給停止などで、調整されるのは、あくまで60歳以降も厚生年金に加入して働く場合のみです。
厚生年金に加入しなければならないのは、そこで働く正社員の所定労働時間と労働日数の3/4以上働く人です。おおよそ週30時間以上で月16日以上と言われています。厚生年金加入者は掛け金を毎月積み立てなければなりませんが、65歳未満まで例外として老齢基礎年金の満額の480ヶ月に満たない方、老齢基礎年金の受給資格である300ヶ月に満たない65歳以上70歳未満の方は厚生年金を積み立てた方が有利だと思います。
勤務先で社会保険(厚生年金)に加入しない場合はどれだけ働いてもOK、年金の減額・停止はありません。
65歳以上のからは
65歳以後の場合は、年金と賃金の合計額が月額46万円以上になると、年金が減額されます。
但し、減額されるのは老齢厚生年金だけ、老齢基礎年金部分は減額されません。
在職老齢年金の計算
基本月額+総報酬月額相当額が46万円以下
全額支給
基本月額+総報酬月額相当額が46万円を超える
合計が46万円超 46万円を超えた額の半分が支給停止
基本月額:加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額
 総報酬月額相当額:年金の受給権が発生した月以後の報酬に該当する標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額を12で除した額を合計したもの

60歳から65歳になるまでの在職老齢年金の計算式(※1)
基本月額 総報酬
月額相当額 計算式
28万円以下 46万円以下 基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)÷2
28万円超 46万円以下 基本月額-総報酬月額相当額÷2
28万円以下 46万円超 基本月額-{(46万円+基本月額-28万円)÷2+総報酬月額相当額-46万円)}
28万円超 46万円超 基本月額-{46万円÷2+(総報酬月額相当額-46万円)}
※基本月額:特別支給の老齢厚生年金の月額
※総報酬月額相当額:年金の受給権が発生した月以後の報酬に該当する標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額を122で除した額を合計したもの

高年齢雇用継続給付
 定年退職後、再雇用や再就職で安定的な職業についたものの賃金が大きく下がってしまうという人に雇用保険から給付金が支給されます※3。
 再雇用の場合は「高年齢雇用継続基本給付金」といい、65歳まで給与額により支給されます。
会社を退職後、失業手当の一部を受給したあとに再就職した場合は「高年齢再就職給付金」といい、残日数によって1年または2年間受給できます。両方の給付金とも雇用保険の被保険者期間が5年以上あり、再雇用、再就職後の給与が60歳時点の給与の75%未満に低下していることが給付の条件です。支給率は、最高で給与の15%となります。さらにこの給付金は非課税で、毎月60歳到達時の給与と現在の給与を比較して支給されます。給付金の申請の窓口はハローワークですが、これをもらった時は、年金事務所への届け出が必要です。