アレクサンドル・カバネル1862-63年オルセー美術館所蔵①

本作は、ギリシア神話におけるヴィーナスの誕生を下敷きにしている。海水の白濁した泡から生まれたばかりの美と愛の女神、ヴィーナスが描かれている。 1863年に開催されたサロン・ド・パリに出品されて入選を果たし、賞賛されフランス皇帝ナポレオン3世が個人的なコレクションとしてお買い上げ。これによって、名声を確固たるものになった。
この年サロンで、マネの『草上の昼食』が落選し、落選者展で公開され批判を浴びている。
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この絵の400年前、サンドロ・ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』では、ヴィーナスは貝殻の上に立っている。
小説家のエミール・ゾラは、
「乳白色の川に身を浸した女神はさながら官能的なロレットのようだ。それは肉と骨からできているのではなく――そうであれば淫らになってしまう――、一種の白とピンクの練り菓子でできている」
と評している。
*ロレット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ココット(フランス語: cocotte)は、フランス第二帝政期の高級娼婦で、それ以前であればクルチザンヌと呼ばれていたような存在であり、饗宴、宝石、邸宅などに贅沢な支出をして、しばしば金持ちのパトロンを破滅させたことで知られた。その後もこの言葉は使われ続け、特にベル・エポック期に使用された。
「ドゥミ・モンデーヌ(フランス語版)」は、元々は娼婦に身を落とした女性たちの世界を指す言葉であったが、その後、様々な格の高級娼婦を意味するようになり、「Grandes Horizontales」とも表現された。
ココットたちを指す表現は、含意にばらつきもありながら様々なものがあり、danseuse(踊り子)、lorette(ロレット(フランス語版)、fille de noce(結婚式の娘)、grisette(グリセット)、fille de brasserie(ブラッスリーの娘)、buveuse(酒飲み女)、trotteuse(秒針)、pierreuse(石の女)、lionne(雌ライオン)などと称されることがあった。