財務大臣が金融審議会の市場ワーキング・グループが報告した「高齢社会における資産形成・管理」報告書を受け取らないという奇策をうちました。 
自民党からも中身は杜撰で信用できない風に言ってますが、発表資料を見る限り間違ったことを言っているとは思えません。 
ただ貯蓄高などは、平均値で考えると麻生家や安倍家の様なお金持ちが居ることで高く引き上げられますので、数字だけでは実感が湧きませんが、月々5万円補充したいのは67歳と62歳夫婦で妻の年金フル受給までまだ時間がある我家としては共感します。 

  発表されたのは65歳の夫、60歳の妻の二人暮らしがモデルです。主な数字は、 夫婦の年金平均収入20万9千2百円に対し平均支出26万3千7百円で月に5万5千円弱不足、20年で1320万円、30年で1980万円不足するという計算です。 
また、平均貯蓄高は2千4百82万円としていますが、億万長者の皆さんの影響で引き上げていると思いますが実感としては、遙か遠い数字です。
 収入の大部分を占める年金の平均的な数字約21万円の中身は 夫の基礎年金(国民年金)が6万5千円、厚生年金が14万5千円と考えてます。
 厚生年金のうち3万円強が妻の扶養分としての加給年金ですので、妻の年齢が65歳に達すると振り替え加算として2~3千円くらいに大きく減額されます。 
妻が基礎年金が6万5千円を受け取りますので6万5千+3千-3万=3万8千円の増加となりますが、年齢差の影響や主婦の活躍を押し進める上で、 勘案したのかと思います。 

支出については 
介護保険料、住民税、健康保険、住居費、光熱費。通信費、新聞、TVそして食費で相当持っていかれますので、交際費とお小遣いは厳しい額になります。 
交際費も様々な祝儀や、不祝儀があるので、節約が難しい面があります。 
 ここに上げられた数字は、総務省や厚労省のサイトで調査結果を読むことが出来ます。国が公にしている調査データから貯蓄目標を示した意味では悪いことではないと思います。 
現役で働く皆さんはこのあたりを目標にして早めの準備をしたら如何でしょうと言うことは、不都合な真実だから目を背けたり非難しても否定するより実になる指摘と思います。

ただし問題が二つあります。 
一つ目は年金の持続性への不安相対的に年金受領する老人世代の方が増えている以上、若い働き手の積み立てに頼る現行の年金制度だけでは先行き厳しくなるのは目に見えてます。
 税金から、年金資金を補填する為に消費税を増額するのはやむを得ないことだと思います。選挙が近いからか、データが杜撰だと言うのではなく、また年金制度は磐石と言うのでもなく、率直な議論をお願いしたいものです。   
年金の持続性を左右する税金の増収 野党も大企業の利益に増課税して、利益を労働者に配分して消費循環を活性化すれば良いと主張しますが、ネット上でデータ即時に移行出来る現在では、企業は高課税率の国からどんどん逃げ出す傾向です。 
アイルランドなど超低企業課税国に書類上本社を移管し、各国拠点は支店として登録して日本国内で利益計上しない企業が増えるだけです。
AI利用が進めば、相当な大企業でも本社機能は機械化されるので、本社所在地は何処において事務的、費用的負担にはなら無いでしょう。 今後、中国やメキシコで作りアメリカで売った車の利益を日本で計上し、国に税金を払うことは難しくなるのではないでしょうか。 各国の消費税は、世界一のベルギー27%、北欧は25%くらい、イタリア、オランダ、スペインは21%、イギリスとフランスは20%で、日本はまだ低い方です。 
アメリカには消費税(間接税)はありません、新しい企業や赤字企業が利益を出す前に税金を払うのは、成功が遅れ経済や市場活性化の妨げになるという趣旨のようです。 
小売の段階で消費者が支払います。ただし、食料・薬・衣服のような生活必需品については州により免税だったり減税となったりします。 サービス・不動産・ソフトウェアなどの無形商品も免税措置が適応されています。 
アメリカでGoogle、Amazon.com、Facebook、Apple Inc. の4つの主要IT企業GAFAやソフトがらみで次々と新興企業が立ち上がるのもわかりますね。 
日本の野党も企業活動の勢いを削いだり、水をかけるだけではなく、国内での新しい事業を立ち上げを支援する仕組みを考えて頂きたいものです。 

  二つ目は、発表数値は平均的な厚生年金受領者のものであること 
平均値の数字のマジック 平均値は、多くの人が加わっている実態よりも高めに出る傾向があります。 例えば1000万円9人、1億5000万円1人の貯金の平均値は2400万円になります。
 貯金500万円以下だったり、希望の星退職金で住宅や教育ローンを返済する予定の方も多いと思います。 厚生年金受領 厚生年金を積み立てた方の平均ですが、積み立てられない働き方を余儀なくされている方が増えています。
また、国民年金の積み立てさえも出来ない方も少なくありません。 年金は問題山積ですが、終身保証されるのは年金のみであり、命綱として確保すべきだと思います。 
自分が扶養される家族で無い場合、厚生年金を支払えない場合、国民年金と年金基金で月に10万円程度の年金確保を考えては如何でしょう。 
生活保護との損得については、いずれ調べてみたいと思います。